~自分らしさを活かした顔画像の高画質化を、高速に実現~
NECはこのたび、顔画像を光学的に解析することで、顔の表情や質感など自分らしさを活かしつつ、思い通りの美しい肌色を表現できる顔画像処理技術を開発しました。また、高速な計算方式を開発したことで、ケータイ、デジタルカメラ、プリンタなどの比較的演算性能の低いCPUを用いる組込み機器にも対応可能としました。
従来の顔画像処理技術では、美白などの一見美しく見える肌の色を表現することができました。しかし、鼻の陰など顔の暗い部分まで明るくなるなど、顔の立体感や質感が損なわれ、表情が失われてしまうなど、不自然な顔画像に補正されてしまうという課題がありました。
本技術は上記の課題を解決するもので、特長は以下の通りです。
- 肌の色を光学的に解析することで、顔の立体感、艶等の質感制御を実現
顔画像における肌の色情報を、拡散反射成分(本来の肌の色)、表面反射成分(艶)、陰影(立体感)の3つの成分に分解し、それぞれを制御。本来の肌色を理想の肌色に近づけるとともに、顔の表情や質感に影響する艶と立体感は正しく保つことで、自分らしさを活かした美肌を世界で初めて実現。
- 処理を軽くする計算手法により、組込み機器に対応
通常、顔の3次元形状を利用して計算される拡散反射成分を、顔のぼかし画像を利用することで精度良く推定する技術を開発。これを、肌の色情報の分解処理に適用することで、3次元形状を利用する場合と比べ、品質を損なうことなく約75倍の高速化を実現。比較的演算性能の低いCPUを用いる組込み機器でも高速処理(1Mピクセルあたり390ms、注1)が可能。
人物画像は、カメラの撮影対象の30%以上を占めており(注2)、撮影対象を美しく記録・再現したいというニーズから、高品質な顔画像を実現する技術が期待されています。
このたび開発した技術により、ケータイ、デジタルカメラ、プリンタなどの組込み機器や、SNSにおけるWEBフォトサービスにおいて、ユーザーが撮影した顔画像を自動的に美しく見せることが可能となります。
NECでは今後も、画像処理技術の研究開発および様々なアプリケーションの開発に積極的に取り組んでまいります。
なおNECでは、今回の成果を、本年12月1日~3日にパシフィコ横浜で開催される「組込み総合技術展(Embedded Technology 2010)」に出展します。
「組込み総合技術展(Embedded Technology 2010)」(12月1日(水)~12月3日(金)開催)
http://www.nec.co.jp/embedded/event/et2010.html以上
(注1)
ARM11 865MHzを使用
(注2)
ディムスドライブ調べ
「ネットリサーチのDIMSDRIVE『デジタル一眼レフカメラ』に関するアンケート」