NEC農業向けSAPソリューションをアジアで展開

NECはこのたび、農業向けSAPソリューションプロバイダーとして、米国・南米で実績の高いCompunet社(注1)と協業し、同社のソリューション“myAgri(マイアグリ)”を東南アジア圏・中華圏に展開を開始します。

myAgriはSAP ERPをベースとした農業向け統合業務ソリューションです。大規模・中規模の農業企業運営に必要な要件をテンプレート化し、業務ソリューションとして実現したものです。農業事業特有の生産プロセス（苗床管理・植付・栽培・収穫・灌漑や農薬・肥料散布など）を、経営管理プロセスと同一のSAP ERP上で実現することで、全てのプロセスを統合的に管理することができるようになります。またバナナ・パイナップルなどの果物、米などの穀物、サトウキビ・パーム・ゴムなどの植物など、種類や栽培期間・方法を問わず適用可能です。

NECは今後、アジアにおけるSAPの導入ノウハウをベースとして、myAgriを東南アジア圏・中華圏に展開していきます。更に、当社の得意とするRFID・各種センサー・ブロードバンドワイヤレス通信・GPSなどの技術とmyAgriを融合させ、農業企業の幅広いニーズに向けて、新たなソリューションを提案していきます。

世界の農業生産市場は、2030年には現在より40%成長すると見込まれています。生産規模が拡大し、経営が大規模化するにつれ、少人数の有識者が広範囲に渡る判断をタイムリーに実施することが求められます。

myAgriを導入頂くことにより、農業に関わるデータを一元的に管理でき、経営判断に必要な情報がタイムリーに入手できるだけでなく、経験や勘に頼らないICTを活用した安定的な農業経営の実現が可能になります。

『myAgriは実績ある、完成度の高い、SAPと完全に統合されたソリューションで、米国、南米でSAPが認定した唯一の農業企業向けソリューションです。本ソリューションは米国、コロンビア、メキシコ、ペルー、フィリピンを含む世界の国や地域の大規模・中規模の食料、農業企業のお客様に導入・利用されています。
現在、CompunetはNECのような戦略パートナーと協業の上、ヨーロッパ特に東南アジア地域にプレゼンスを拡大中です。CompunetにとってもアジアのリーディンカンパニーでありSAPの主要パートナーであるNECと協業し、東南アジア圏・中華圏にmyAgriを拡大できることは非常に意義深いことです。』Pietro Tomassi, the CEO of Compunet USA and Compunet Corporate Director.

myAgriの導入により、以下のような業務上の効果が期待できます。

①コスト競争力

植付、育成、刈取プロセスの計画精度向上、コストの発生タイミングの分析が可能になります。また農薬・肥料・燃料・資材の在庫削減や維持コストの低減、装置の稼動状況管理やメンテナンスコスト管理により農業経営コスト全体の削減ができることになります。

②生産効率アップ

プロセスの自動化・過去データの分析により、生産現場等の作業改善や効率化が可能になります。またデータの一元管理によりトラブル発生パターンの分析が容易になり、計画に基づいた業務の遂行・課題の見える化を通じた収穫高の向上が可能になります。

③トレーサビリティ強化

生産実績管理機能により、種子・苗床から作物・加工品までの統合管理による高いトレーサビリティを実現します。各種国際基準（注２）にも対応可能であり、灌漑用水、化学薬品適用の履歴管理、土壌の温度・湿度、作業者の作業実績など幅広い管理が可能です。またロット管理により、問題発生時のトレースが容易になるだけでなく、栽培、加工生産、販売ルートの追跡も可能です。

NECは、本ソリューションの展開により、安心・安全で高品質な農産物の生産、生産から加工・販売までの統合管理によるコスト競争力の強化および、ICTの導入による安定的な農業経営と収穫高向上に寄与していきます。

以上