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時間:2012-02-28
NECはこのたび、光スーパーチャネル技術を用いることにより、1光波長あたり毎秒1テラビットの大容量信号の、1万キロメートルを越える超長距離伝送実験に成功しました。これは、1光波長ごと、つまり単一の光源より生成された1テラビット光信号の超長距離伝送としては、世界で初めての実証例となります。今回の実験では、1テラのスーパーチャネル信号を4波長多重することにより、毎秒4テラビットの総伝送容量を達成しています。これにより、光スーパーチャネル技術を適用することによって、大容量信号の大洋横断に相当する超長距離伝送が可能であることを実証しました。
光スーパーチャネル技術とは、従来は一つの周波数領域に一つの信号しか乗せる事が出来なかったものを、個々のサブキャリア信号の位相(周波数の波形の周期)をずらして同一の周波数領域で複数の信号を重ね合わせることを可能にしたものです。このため、周波数帯域を効率良く使用できるとともに、単一の光源あたりの伝送速度を高速化することができます。今回の実験では、従来のエルビウム添加光ファイバアンプ(注1)やDP-QPSK変調技術(注2)に加えて、コア拡大超低損失ファイバ(注3)、デジタルコヒーレント受信技術(注4)などを採用した最先端ハードウェアを組み合わせることにより、飛躍的な大容量伝送を確保しています。
この研究は、米国プリンストン市のNEC Laboratories America, Inc.にて行われており、11月下旬に上海で開催されたAsia Communications and Photonics Conferenceで発表されたものです。
なお、NECは既に、毎秒40ギガビットの光波長多重方式に対応した商用光海底ケーブル用端局装置を納入しています。既設の大規模光海底ケーブルシステムにおいて、現状の最大4倍となる毎秒40ギガビットの光波長多重化方式が採用されるのは、世界で初めて(注5)です。このように、光伝送の研究開発、実用化においては最先端の技術力を有しています。
NECは、過去30年以上にわたり、世界の海底ケーブル市場でトップクラスの実績を有しており、日本を含むアジア・太平洋地域を中心に世界中の主要海底ケーブルシステムを構築しています。NECは、今後も光海底ケーブルシステムビジネスを強化し、グローバルに事業展開していきます。
以上
(注1)
エルビウム添加光ファイバアンプ:光ファイバに希土類(レアアース)の一種であるエルビウムを添加することにより光を一旦電気信号に戻すこと無く直接増幅することが可能。現在のWDM伝送において不可欠な構成要素の一つ。
(注2)
DP-QPSK変調方式:偏波直交4位相偏移変調方式(Dual Polarization Quadrature Phase Shift Keying)直交する二つの偏波ならびに四つの光位相(0°、90°、180°、270°)に対して、4ビットの情報を割り当てる変調方式。
(注3)
コア拡大超低損失ファイバ:従来より有効コア断面積を50%以上拡大するとともに、損失を20%以上低減。これにより、長距離伝送において伝送品質の劣化を引き起こす主要因である非線形劣化ならびに信号雑音比劣化を低減することが可能。
(注4)
デジタルコヒーレント受信技術:光位相に情報データを重畳した光信号を復調するコヒーレント光受信技術とデジタル処理技術を組み合わせたもの。受信の際は、信号光にローカル光を混合して信号復調し、さらにこれをデジタル信号処理することによって伝送による信号劣化を補償し、元の情報データを再生する。
(注5)
2011年9月時点。NEC調べ。