NEC、米国Convergys社の事業支援システム(BSS)事業を買収

NECは、通信サービス事業者向け通信ソリューションの強化のため、Convergys Corporation（本社：米国オハイオ州、President & CEO：Jeffrey H. Fox、以下コンバージズ社）が有する業界大手の事業支援システム（BSS、注1）事業の買収に関する契約を本日締結いたしました。買収金額は約4億5千万米ドルで、買収手続きは2012年4～6月期に完了予定です。

コンバージズ社は、実績のある事業支援システム(BSS)と優れたサービスにより、大手通信事業者の間で国際的に高い評価を得ています。NECは、約2,500名の人材と世界で150社以上の顧客を有するコンバージズ社の事業支援システム(BSS)事業を取り込むことで、世界各地の通信サービス事業者の、課金管理、顧客サポート管理、利用料収入管理などの次世代の基盤を実現することができます。

買収後、コンバージズ社の事業支援システム(BSS)事業をNECが2008年6月に買収した子会社NetCracker Technology Corporation（以下ネットクラッカー社）が責任を持って一体的に運営します。ネットクラッカー社の通信事業者向け運用支援システム（以下OSS注2）を中核とする通信運用システム（TOMS、注3）に、事業支援システム(BSS)の人員、ソフトウェア、サービスを加えることにより、運用を外部委託するマネージド・サービスでも自前のシステムでも、クラウドを介して事業支援システム(BSS)／運用支援システム(OSS)ソリューションを利用できる強力な製品ラインアップを提供します。

スマートフォンの急速な普及にともなうデータ通信の急増を受け、通信インフラ機器への投資は増加傾向にありますが、通信サービス事業者は新たなサービスによる収入増やネットワーク事業運営の効率化をもたらすソフトウェアやサービスへの投資を拡大しております。この領域の設備投資の成長率は、インフラ機器の設備投資の成長率を上回ると見込まれ、特に海外の通信事業者においてこの傾向が顕著に現れております。

NEC、ネットクラッカー社と今回買収するコンバージズ社事業支援システム(BSS)事業のソフトウェア、サービス、データセンター、研究開発投資を組み合わせると、これまでにない規模の通信ソフトウェア事業となります。これにより、業界で最も包括的な通信運用システムソリューション・サービスを世界中で提供可能となります。

このたびの買収は、NECの事業領域を補完、強化し、変化の早い市場環境で通信サービス事業者の事業競争力を強化する通信業界のニーズに合致したトータルソリューションの提供というNECのこれまでの取り組みを加速するものです。NECでは、運用支援システム(OSS)、事業支援システム(BSS)を中核とした通信サービス事業者向けソフト・サービス事業を海外を中心に展開してまいります。

 (注1)
BSS：Business Support Systems
(注2)
OSS：Operation Support Systems
(注3)
TOMS：Telecom Operation & Management Systems