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2013-10-9
NECは、千葉県において、全国初となる全県下で統一して使用する消防救急デジタル無線システム(注1)と、全国最大規模となる20の消防本部の消防指令業務を一元的に管理・運用する共同消防指令システムを構築しました。
災害発生時、消防指令センターでは119番通報を受信し、無線通信を用いて対象となる消防本部に消防車や救急車の出動指令や、火災・災害地点までの誘導などを行います。これらの消防指令業務を支えるシステムとして、消防救急無線システムと消防指令システムが活用されています。
現在、消防救急無線には、アナログ無線方式が主に使用されていますが、電波利用増による帯域不足などにより、2016年5月までに、デジタル無線方式への移行が定められています(注2)。消防無線をデジタル化することで、情報の秘匿性の確保や、特定の消防車1台のみに指示を出すなど個別通信が可能となり、セキュリティを確保しながら、効率的かつきめ細かい消防防災活動が実現します。
また、2005年7月に総務省消防庁から、「消防救急無線の広域化・共同化及び消防指令業務の共同運用の推進について」の通知がなされ、全国の消防本部では、消防業務の効率化と大規模災害発生時の通信確保などに備え、広域的な支援体制の整備が進められています。
千葉県内ではこれまで、市町村や事務組合ごとに消防指令センターを設置していました。このたび消防指令センターを共同運用することで、市町村境界区域には近隣地区の消防隊を同時に出動させるなど、状況に応じた柔軟な対応が可能となります。また、大規模災害や同時多発的に発生した災害等に対しても情報の素早い収集・一元管理により、初動体制の強化や迅速な支援体制の確立を実現します。
また、共同運用により効率的なリソース(人員・システム規模など)活用が可能となることで、特定の地域に119番通報が集中した場合の受信・処理能力が向上するなど、消防防災活動のさらなる充実が図られ、安心・安全な街づくりに貢献します。
NECが千葉県内に構築した消防救急デジタル無線システムと共同消防指令システムの特長は次のとおりです。
1.全国初、全県下統一のデジタル無線システム
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(1)NEC独自技術により段階的なデジタル化を実現
千葉県内31の消防本部に全県下統一使用の消防救急デジタル無線システムを構築。さらに、車載側システムとして、NECが開発した独自のソフトウェア無線技術によりアナログ方式とデジタル方式の両方を備えたデュアルモード無線通信システム(注3)を9の消防本部で採用。これにより、電波の有効利用や、段階的なデジタル化を安心して実現できる。
(2)無線システム主要機器の冗長化により、事業継続性を確保
消防救急デジタル無線システムの無線回線制御装置を2箇所(千葉市消防局・松戸市消防局)に設置することで、万一、一方に障害が発生した場合も自動的に装置を切り替えて、運用の継続が可能。
(3)秘匿性の強化と効率的な通信を実現
情報の秘匿性の確保や、消火活動に従事する複数の消防車を1グループとしたグループ一斉音声通信、消防車1台に対して指示を行う個別音声通信など、状況に応じた音声通信を実現。
(4)多チャネルへの対応を効率化する機能を提供
大規模共同運用化により無線周波数(チャネル)が従来1消防あたり数チャネルであったものが20消防合計で約60チャネルに増加するため、特定の災害に出動している全車両に通信する「事案連動無線交信機能」や、出動車両から指令センターへ着信があった際に折り返し通信ができる「着信履歴からの無線発信機能」も提供可能となり、効率的な運用を実現。
2.全国最大規模、広域共同消防指令システム
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(1)大規模・広域災害発生時に迅速・的確な対応を実現
20の消防本部で利用する「ちば消防共同指令センター」や、6の消防本部による「千葉北西部消防指令センター」を中心に、広域での消防指令業務を一元的に管理・運用し、約1000台の消防救急車両に対して迅速かつ的確に指示。大規模災害時にも、素早い情報収集・一元管理による指揮命令の統率や、近隣消防本部の協力による強力な支援体制を確立。
(2)全国初、いち早く災害場所を特定できる「119番ヘルプシステム」
広域から119番通報を受信することで、指令センターでの地理不案内により災害発生場所の特定に時間がかかることを避けるため、119番通報者(住民)、共同指令センター、消防本部間の3者での通話ができる「119番ヘルプシステム」を全国で初めて導入。指令センターで通報場所を確定できない場合に、3者通話により音声と地図情報を用いて、いち早く災害場所の特定や詳細情報の確認をすることが可能。
(3)車両の位置・活動状況を常時把握し、火災・災害対応を迅速化
GPS機能を活用し、各消防本部の消防救急車両の位置・活動状況を常時把握。これにより、災害地点を特定すると同時に、災害地点を管轄する消防本部から最も近い順に車両を選別して出動部隊を自動的に編成し、災害地点までの所要時間の短縮を実現。
(4)車両内で、指令センターと同等の情報把握が可能
車両に搭載した車両運用端末装置では、自車の位置や活動状況を指令センターへ送信するとともに、災害地点の付近地図や指令内容を表示。他の車両位置、水利・道路障害、病院受け入れ状況など指令センターと同等の情報把握が可能。
NECは長年にわたり、全国で消防・防災ソリューションを提供しています。今回の千葉県での大規模システムの構築実績を活かしながら、今後も最先端のICT技術による安全・安心・効率・公平な社会の実現に貢献します。
以上
(注1)千葉県がデジタル無線用基地局の免許を取得、事業主体となりデジタル無線システムを整備。千葉県は、2013年6月に、第63回「電波の日」総務大臣表彰を受賞。
(注2)総務省「電波法関係審査基準」による。
http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/process/myradio/index.htm#4000286
(注3)2012年6月20日、社団法人電波産業会より、第23回電波功績賞における総務大臣賞を受賞。
<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
NEC 消防・防災ソリューション事業部
電話:+81-3-3798-8457
<本件に関する報道関係からのお問い合わせ先>
NEC コーポレートコミュニケーション部 高橋・岡島
電話:+81-3-3798-6511
E-Mail:mari-t@ct.jp.nec.com
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