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NEC、高速カメラにより製造ラインの検品作業を効率化する物体認識技術を開発

2019年4月3日
 

       NECは、東京大学大学院情報理工学系研究科 石川正俊教授室・妹尾拓講師らの研究グループと共同で、「高速カメラ物体認識技術」を開発しました。

      本技術は、高速カメラで撮影された毎秒1,000フレームの大量の画像から認識に適した画像を瞬時に選別し、高速かつ高精度に検査の合否を判別します。本技術を製造ラインに適用することで、製品検査のための製造ラインの操作が不要となるため、スムーズな導入と生産効率の向上を実現します。

      今回、カメラの前を0.03秒で通過・移動する物体について、刻印された5mm程度の微細な文字の違いをリアルタイムで、95%以上の精度で判別できることを確認しました。

 

       高速で動く製造ラインにおいて画像解析を使用した検品作業を行うには、画像撮影のために製造ラインの一時停止やスピード調整などの操作を行う必要がありました。この問題の解消には、高速カメラの活用が有効です。しかし、処理すべき画像数が従来に比べ10倍以上に増大するため、画像処理に大幅な時間がかかり、リアルタイムな検査が実現できていませんでした。

 

       本技術は、高速カメラで撮影した物体の大量画像について、物体のキズや刻印などを認識・判別するのに有効な画像を瞬時に選別します。さらに、キズや刻印を正確に判別するために、小規模なニューラルネットワークを用いて認識処理を繰り返し、認識結果について多数決方式をとることで、高速かつ高い精度の判別を実現しました。これにより、これまで抜き取り検査しか行えなかった対象の全品検査が可能となり、製造ラインにおける異物混入防止や品質の均一化に貢献し品質管理を強化します。

       本技術は、製造ライン上を高速に移動するビンや缶のラベルなどの外観検査、錠剤や食品の異物検知などに適用が期待されます。

 

       NECは、2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」のもと、AI・IoTなどの先進技術を活用し、今後も製造業のものづくり現場とデジタルとを融合して多様化するニーズに対応し、強いモノづくり経営や新しいサービスビジネスの創出に取り組みます。これにより人やモノ、プロセスの情報・状態をバリューチェーン全体で共有し、新たな価値を生み出す「NEC Value Chain Innovation」(注)をお客さまと共に実現していきます。

 

【背景】

       近年、製造業において、顧客ニーズの多様化に対応した多品種変量生産が進む中、品質トラブルの防止と短納期の両立が求められています。しかし、労働人口の減少により、生産効率の維持・向上のためには人的作業ではなく、画像認識を中心とした検品作業の高度化が期待されています。今回、NECの画像認識技術と東京大学の持つ高速移動物体の追跡技術を融合して「高速カメラ物体認識技術」を共同開発しました。

 

【高速カメラ物体認識技術の特長】

1.大量の画像から、物体認識に適した画像を瞬時に選別

       本技術では、高速カメラの追跡処理で計算される物体の移動量などの情報と、画像の鮮明さなど認識に有効な画像との間には高い相関があることに着目しました。これらの相関関係に基づいて物体の移動量や、画像の鮮明さを表す輝度値から適した画像の判断基準である適合度を設定します。この適合度を活用して、それぞれの画像が認識に有効か否かをAIが瞬時に判定・選別します。

       これにより、高速カメラで撮影した毎秒1,000フレームもの対象物体の大量画像から、キズや刻印の有無が鮮明に撮影されているなど認識に適した画像のみを選別し、処理を行う画像数やその解析時間を数十分の一に削減します。

 

2. 同一物体を撮影している複数画像を用いたリアルタイム認識

        高速カメラを用いた場合には、同一の対象物体に対して、少しずつ見え方の異なる複数枚の画像を取得し、対象物体の情報量を増やして解析することが可能となります。

       本技術では、得られる画像それぞれに対して、小規模なニューラルネットワークを用いて軽量化した認識を繰り返し、その認識結果を突き合わせて、最も多い結果を正解とする多数決方式を採用しました。これにより、従来のように1枚の画像のみで認識する場合に比べて、約4割短縮した0.01秒程度で高速処理を行うことで、高速で動く物体のリアルタイム認識を実現します。

 

       NECと東京大学は、本技術を「動的画像処理実利用化ワークショップ」(会期:3/7(木)~8(金)、会場:北九州国際会議場)において、発表しました。

 

       なお、本発表の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」のうち「高速ビジョンセンサネットワークによる実時間IoTシステムと応用技術開発」において実施された成果をもとにしています。

 

 

(注) NEC Value Chain Innovation:

最先端のデジタル技術を活用し、お客さまとの共創活動を通じて、人やモノ、プロセスを企業・産業の枠を超えてつなぎ、新たな価値を生み出すNECの事業領域。地球との共生、企業の持続的な成長と人が豊かに生きる社会の実現に貢献。

参考URL:https://jpn.nec.com/nvci/index.html

 

<高速カメラ物体認識技術について>


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